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繊細で優しくて、ちょっぴり悲しい世界 : ホレイシア : 2008/07/18

今まで知らなくて損をしていたと思わせる作家さんと久しぶりに出会えた。この作品で3冊目。
思春期の少女の視点にも、それを見守る大人の視点にも立てる、不思議で、素敵な人だ。表題作は、昔の、毎日を張り詰めて生きていたころの自分を思い出して、つい苦笑い。でも嫌な気分ではない。
特に気に入ったのは、表紙も含めてたった16ページの「生物T」。いじめられっこの少年と、それをいつもどこかで気にかけていて、ついに助けに入ってしまった少女。屋上でのやりとりが繊細で、気がきいていて、何ともいい雰囲気。モノクロの画面なのに、空の青さと海の青さが目の前に鮮やかに浮かぶ。宝箱を手に入れた気分。
星が四つなのは、まだ未読の作品があるので、期待してのこと。作品に関して不満は全くない。
それは恋愛にも似た友情 : しんく : 2006/03/14

相手の浮気が原因で恋人と別れることとなったOL・奈月と、あまりに繊細な心を持ったばかりに理解されず、そのために周囲になじめないでいる女子高生・理子との友情譚です。ある日、雨の中、交差点で信号待ちをしている理子に、赤の他人の奈月はすっと自分の傘を差し出します。そのとき呆気にとられた理子の目に映ったのは、見知らぬ、けれどどこか親しみの持てる女性の、涙にぬれた顔だったのです。物語はここから始まります。
「むずかしい年頃」という言葉では説明のつかない悩みを抱えた理子、けっして万能でも無敵でもない「おとな」の奈月、そんな二人の気持ちの交錯、葛藤、調和を紺野さんは白を効果的に使った絵で表現していきます。最後の場面の美しさは私にとって、ほかのどの紺野作品よりも印象的でした。
元は同人誌収録でありながらもポプラ社に単行本を刊行されたということは、それほど評価されたものと受け止めてもいいでしょう。紺野さんの漫画は安心して読めて、他人にも気兼ねなく読んでもらいたくなる魅力にあふれています。このあまりに純粋で精美な友情物語を、未読の方はぜひ読んでみてください。
最後に、紺野さん自身の手による序文を転載しておきましょう。きっと私の拙い文よりも作品の魅力を伝えてくれることでしょう。
たとえば コットンのような しろくて 肌ざわりのよいもの
そういう やさしいもので
はだかんぼうで ふるえてる あの子を くるんであげたい
義理の親戚 : badcom : 2003/12/21

姉の結婚式で、雨の日に傘を押し付けた通りすがりの女子高生・理子(16-17?)に再会してしまった妹・奈月(23-24)。無愛想で傘を「他人のものが家にあるのって気持ち悪い」と返しに来るなど理子だったが、どうも自分に執着があるようで、奈月は戸惑い気味。
ほのぼのとしていて結構好きな作品です。奈月寄りに描いてますが、理子の目を通した奈月がどう見えるのかにちょっと興味が湧きました。間接的にしかわからなくてちょっと残念。友情以上、みたいなのが好きな人にはお勧めです。友情というか何というのかよくわかりませんが。
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